予防医学に基づく病気予防 / 成健研究所

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報告11 統合失調症

医療法人社団・一友会「ナチュラルクリニック代々木」で直接扱った患者様の臨床報告を時系列でご紹介します。

人物紹介

成健研究所

20代後半・男性の場合

報告内容

【症例】統合失調症

友人が一人もおらず、独り言が多かったBさん。右目にチックもありました。高校生の時に統合失調症を発症。自分の感情のコントロールができなくなり、家の中で暴れ回り、家の外でも聞こえるような大声をあげることもありました。そのような行動を一方では自分自身で冷静に認識をしていながらも、衝動を抑えることが出来ませんでした。
勉強もついていくことが出来なくなり、過去に言われた言葉、傷付けられた言葉が幻聴となって聞こえるようになりました。 寝つきが悪く、悪夢を見ることもあり、早朝に目が覚めてしまう毎日でした。病院へ行くと措置入院を勧められ、そこで薬物療法を受けました。
退院しましたがその後も薬物療法は続いていました。やがて高校を中退。数年間の薬物治療の後、Bさん自身の希望により薬を断つことができました。しかし依然ひどい幻聴とひとり言、激しい気分の浮き沈みが続いていました。

【食事の改善ポイント】
1:一日に10杯飲んでいたコーヒーと紅茶を麦茶やミネラルウォーターなどに代える。
2:間食に白砂糖、甘い菓子、スナック菓子は避け、バナナなどの果物を摂る。
3:できる限り和食にして発芽玄米、野菜を多く食べる。
4:牛乳の代わりに豆乳を飲む。

【摂取サプリメント】
K.リゾレシチン 糖鎖 ビタミンB複合体 DHA・EPA ノーフラッシュナイアシン GABA CoQ10 亜鉛

Bさんは栄養療法を開始すると同時に、気分転換のために一日30分~1時間程度の散歩を始めました。途中、数回のプラセンタ点滴も行いました。
2ヶ月後、悪夢を見ることがなくなり熟睡できるようになりました。しかし、まだ幻聴は聞こえていました。5ヵ月後、表情がかなり明るくなり、感情がコントロールできるようになり、大声を出したり暴れることがなくなりました。幻聴は時々ありましたがほとんど気にならなくなりました。カウンセリングでは実に楽しそうに「先週、友達とお酒を飲みに行きました。」と誇らしげに話しておられました。
栄養療法を始めて1年4ヶ月ほど経っていました。配送会社にアルバイトとして採用されて、仕分けの仕事に週3日通っていました。元来の優しく真面目な性格が職場からは重宝がられていました。人付き合いが苦手でずっと友達が出来なかったBさんでしたが、この頃には職場でたくさんの友人に囲まれていました。その後、Bさんにはカウンセリングの必要がなくなりました。 サプリメントを数種類に減らしながらも継続し続けているBさんは、現在ではボランティア活動に積極的に参加して、忙しく全国を駆け回っています。また、経営コンサルティングや英会話の学校に通い、国際派として活躍する日を夢見ています。
Bさんは、もともと甘い食べものが大好きで、チョコレート・大福・ケーキ・クッキーなどを日常的に食べていました。また、同じようにコーヒーを1日10杯程度飲んでいました。 確かに、甘いものは、疲れたときに食べると気持ちを落ち着かせてくれるように感じます。作業に行き詰った時のコーヒーも、気分をリフレッシュしてくれるように感じます。適量の甘いものは、足りなくなったブドウ糖を脳や筋肉に補給するので、気持ちが落ち着いて疲れがすっきりします。また、コーヒーに含まれるカフェインはアドレナリン分泌を促すため、エネルギー代謝ややる気が促進されます。しかし、これらは少量ずつを上手にとることが大切です。甘いものもコーヒーも、ほどほどの量にしておかないと、利点を通り越して恐ろしい作用を及ぼすことがあるのです。白砂糖については、本書で何度か登場している通り「低血糖症」により精神に悪影響を及ぼしますが、それに加え、白砂糖を代謝するのにたくさんのビタミンB1を消耗することも問題です。ビタミンB1は、神経系と精神状態の過剰な興奮状態を穏やかにする働きがあります。十分にビタミンB1を摂取していないにも拘らず、甘いお菓子やジュース、スナック菓子を摂り続けていると、落ち着いていることが出来ず興奮性が増し、喧嘩っ早くなったり、意味もなく暴れたり大声を出したりするようになることが多々あります。また、カフェインについては、内分泌系に働きかけて肝臓に蓄えられたブドウ糖を放出させるため、一瞬は思考がはっきりしたように感じます。
しかし、一方では内分泌系(副腎)を著しく疲労させているため、結局のところストレス耐性を弱めてしまうのです。そのため、コーヒーをはじめカフェインの多く含まれている食品を日常的に摂る人はストレスをためやすく、また神経質になりやすく、精神的にも不安定になりやすいのです。カフェインといえば、コーヒーを思い浮かべますが、カフェインを含む食品は意外と多く、緑茶・コーラ・紅茶・チョコレート・ココアなどにも含まれています。これらがお好きな方は、知らず知らずのうちにカフェイン過多にならないように注意する必要があります。また、カフェインは、先ほども出てきたビタミンB1を大量に破壊することでも知られています。その他にもストレスに対抗してくれる貴重な栄養素であるビタミンC、亜鉛なども奪ってしまいます。口に入れると、一瞬にして気分が良くなる甘い食べ物やコーヒーは、一方で私たちに、安定した精神状態を保てないように裏でいろいろと小細工をしているのです。

Bさんは、甘いものやコーヒーを控えて、サプリメントで栄養補給をしたことで、精神状態が劇的に安定しました。そのことから、食べものの摂り方が原因で幻聴や衝動行動が起きたと考えられます。しかし、病院では食事に関する指導はなく、ひたすら向精神薬を処方されていたために、根本的な原因が解決されないまま脳の神経細胞は薬と食習慣によってさらに侵されてしまったかもしれません。Bさんのように、誤った投薬をされている患者さんは少なくないと思います。薬を処方した病院の先生は「一生薬を飲んでいれば普通の生活ができますよ」とおっしゃったそうです。言われたとおりに薬を飲んでいる間も、恐ろしい幻聴は消えることはなく、副作用に苦しみ、勉強も仕事も出来ず、とても人間らしい普通の生活とは思えませんでした。そもそも薬を一生飲み続けることが「普通の生活」でしょうか?
薬を飲み続ける限り、副作用はつきものです。また、多量の服薬は肝機能やその他の臓器に悪い影響を及ぼします。